偉大なる指導者 プーチンの人気急落
プーチン支持率、8割から3割に急落
ロシアでは政府の年金改革案に対する不満の高まりから、ウラジーミル・プーチン大統領の与党・統一ロシアの支持率が、2011年以来の最低水準に落ち込んでいる。
ロシア連邦議会の最大勢力を誇る与党・統一ロシアの人気は、プーチンあってのものだった。だがサッカー・ワールドカップ(W杯)の開幕直前に年金受給開始年齢を引き上げる改革案を発表し、急いでそれを可決しようとする議会の動きが伝わると、あらゆる世論調査で統一ロシアとプーチンに対する支持率は急降下した。
全ロシア世論調査センター(WCIOM)によれば、最新のデータでは、政府の改革案を最も強く推した統一ロシアへの支持率は、37%にまで下落。2011年に記録した史上最低の34.4%に非常に近い。
プーチン政権に対する支持率低下はさらに激しく、31.1%だった。別の国営調査機関や独立系のレベダ・センターによる調査も、同じような結果になっている。
今回の年金制度改革案では、年金受給開始年齢は男性が60歳から65歳、女性は55歳から63歳に、今後10年間で段階的に引き上げる。アメリカ主導の対ロシア制裁や西側との貿易の中断、2014年の原油価格の急落などで膨らんだ財政赤字を削減するためだ。
社会保障に不満
この法案は7月19日にロシア議会下院で審議され、賛成多数で可決された。だが、プーチンが法案に署名する前に必要な、議会上院での審議・採決はまだ行われていない。
この年金改革案に対しては、ロシア経済低迷による影響を不当に国民に押し付けるものだと、多くの市民が抗議の声を上げている。プーチン政権4期目が今年初めにスタートして以来、最初の大きな改革案となるが、世論調査の数字からすると、2014年にウクライナのクリミアを力で併合した際に上昇したプーチンの人気が一気に失われた形だ。
「これらの世論調査から、W杯のような大イベントの間でさえも、ロシア国民が本当に気にかけているのは経済的な安定と生活の質であることがわかる」と、米ブルッキングズ研究所のアリーナ・ポリヤコワは本誌に語った。「目の前の娯楽よりも、そのほうが気になるのだ」
(ニューズウィークより)
プーチン支持率、8割から3割に急落 いったい何が? | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
どこの国でも、国民に負担を増加させようとすると、支持率は落ちますね。2000年~2008年は大統領、2008年~2012年は首相、2012年~現在は大統領とトップの座に君臨しつづけています。長く政治を主導してきたからこそ、長期的なヴィジョンで対応していると見えなくはありません。
一説には、一度トップの座から降りると過去の悪行?がばれる可能性があるため、死ぬまで頑張るのではないかと言われています。
プーチンの数々の名言?
1.「トイレで殺す」
まだ総理大臣だったころのもっとも有名な言葉。
「ロシアの飛行機はチェチェン・テロリストの基地を攻撃してきたしこれからも続ける。テロリストがどこにいようと攻撃は行う。空港に来たら空港まで追撃する。失礼だが、トイレで捕まえてトイレで殺す。以上。」
2. ロバの耳
プーチンはコムソモルスカヤ・プラウダという新聞のスタッフと会い話をした。ラトビアがプィタロフスキー地域を返還してほしいという話になり、プーチンはこう述べた。「領土関係の話し合いは一切しない。プィタロフスキー地域ではなく、死んだロバの耳を渡すよ。」
3. 割礼
2002年11月のロシアEUサミットの終了後、ある記者がロシアがチェチェンの言論の自由を抑圧していると言うとプーチンは、
「あなた自身がイスラム教徒になって割礼する意思があるなら、モスクワにようこそ。もう二度と何も伸びないように手術をおすすめします。」
4. クリミアはロシアのものでしかない
クリミアとセヴァストーポリがロシアにくっついたあと、プーチンは言った。
「人の心、人の考えのなかでクリミアはいつもロシアの欠かせない一部であったしこれからもそうである。クリミアはロシアのもでしかありえない。」
5. ベルルスコーニがもしゲイだったら
「ベルルスコーニは女と住んでいるから批判されている。もしゲイだったら誰も何も言わない。」
プーチンとは? 世界有数の富豪
ロシア最大の権力者なのだから、一般人よりはるかに豊かな生活を送っていても不思議はない。それでも、その個人資産が20兆円(100円/ドルで換算)もあると聞けば誰もが仰天するだろう。
この情報は、プーチン大統領に批判的なロシアの元ファンドマネージャー、ビル・ブラーダーが出処である。ブラーダーが主張するところでは、プーチン大統領は世界一の富豪となることを目論み、自らの金融帝国を作り上げたのだそうだ。
これが事実であれば、プーチン大統領はビル・ゲイツの2倍の財産を有していることになる。だが、プーチン大統領の2013年度の所得はわずか1,080万円(3ルーブル/円で換算)だと報じられた。支持者は大統領の暮らしぶりは非常に質素倹約であると主張するが、2007年に4兆円だった資産が、2012年には7兆円に増加している。一体、富の源泉はどこにあるのだろうか?
2007年、ロシアの政治評論家スタニスラフ・ベルコフスキーは、プーチン大統領は石油会社スルグトネフチェガスの37%および天然ガス会社ガスプロムの4.5%を保有していると主張した。
だが噂に上る巨額資産とプーチン大統領を結びつけるものは何もない。そこでこう考えてはどうだろうか。ロシアの指導者として、プーチン大統領は必要と思えるものは何でも利用できる。たとえそれが個人的な目的であったとしてもだ。汚職を匂わせる暴露であったが、ロシア人の大半からの反応は無関心だった。
ビル・ゲイツの2倍お金持ちとは驚きですね。
プーチン宮殿とは?
経済的な富豪ぶり以外にも、恐ろしくリッチな別の情報も発覚している。黒海沿岸に1,000億円を投じて建てられたプーチン大統領の私邸である。当初、モダンなサマーハウスとして計画されていたようだが、結局は宮殿のような仕上がりとなった。
衛星写真からは庭園、プライベート劇場、3つのヘリポートなどを備えた豪勢な大理石の建物が確認できる。問題はどうやってその費用を工面したのかということだ。
数年前にロシアから亡命したセルゲイ・コレスニコフによれば、プーチン大統領の一派はロシアの病院改善事業を計画したという。ロシアの富豪からの資金提供を見込んでのことだ。コレスニコフの会社もこれに参加したが、そのときプーチン大統領から提供者には内緒で海外投資に資金を回すと伝えられたらしい。そして寄付金の一部は造船業への投資に利用されたが、大部分は”プロジェクト・サウス”に回された。これがプーチン宮殿である。
1,000億円とはスケールが大きいですね。
プーチンの結婚と離婚
2013年、プーチン大統領は30年連れ添ったリュドミラ・プーチナとの離婚を発表した。既婚の事実はほとんど知られていなかっため、驚きのニュースであった。リュドミラ元大統領夫人がカメラで撮影されたことはあったが、その身元は極一部の人間にしか知られていなかったのだ。
2人に関する噂でいいものはない。曰く、リュドミラ元大統領夫人が女子修道院に入れられた、また曰く、薬漬けにされた、あるいは殺されたといった具合だ。
1980年代におけるKGB時代のプーチン大統領には、女たらしだったとの評判がある。そのため彼との結婚生活は、最初から破滅が運命付けられていたようなものだった。1999年、プーチン大統領がボリス・エリツィンの後継者に任命されたとき、「滅多に会うことはなかった」とリュドミラ元大統領夫人は嘆いたという。
離婚発表当時、プーチン夫妻には2人の成人した子供がいた。離婚以前からプーチン大統領には愛人がいたとの噂があるが、発表は2人で行われた。ちなみに所得は折半されるそうだ。
薬漬けとは、本当であれば恐ろしいですね。
プーチンの私生活
釣りを趣味とし、競馬のファンでもある。煙草は吸わず、酒もほとんど飲まない。また、犬好きで、自身もラブラドール・レトリーバーを飼っている。その愛犬は「コニー」という名前であり、徹夜でお産の世話をしたこともある。愛犬家だということもあってか、2003年5月の日露首脳会談では、当時の首相であった小泉純一郎から犬語翻訳機「バウリンガル」を贈られている。2008年10月には副首相のセルゲイ・イワノフからコニー用にロシアの衛星測位システムであるGLONASS(グロナス)の受信機がついた首輪を贈られ、コニーにその首輪が装着された。2012年7月には秋田県より雌の秋田犬1頭が贈られ、自ら「ゆめ(夢)」と名付けている。
夢は、今でもかわいがってもらっているのでしょうか。
プーチンの柔道
11歳の頃より柔道とサンボをたしなみ、大学在学中にサンボの全ロシア大学選手権に優勝、1976年には柔道のレニングラード市大会でも優勝した。政治家には珍しい逞しい肉体や戦闘技術を保有していることから、インターネット上では一部でカルト的な人気を博しており、自国ロシアのメディアも2008年8月31日に「研究者らによる野生のトラの監視方法を視察するため国立公園を訪問していた際、カメラマンに向かって走ってきたトラにプーチンが麻酔銃を撃ってカメラマンを救出した」などと報じるほど、ことさら超人的なイメージが前面に打ち出されている。なお、プーチンの身長は168cmとの事。
柔道について「柔道は単なるスポーツではない。柔道は哲学だ」と語っている。また、少年時代は喧嘩ばかりしている不良少年だったが、柔道と出会ってその生活態度が改まったと述懐している。大統領になってからも、大統領以前に書いた『Учимся дзюдо с Владимиром Путиным (プーチンと学ぶ柔道)』という本を出版しており、その中で嘉納治五郎、山下泰裕、姿三四郎を柔道家として尊敬していると記している。得意技は払腰。柔道の師は、2013年に亡くなったロシア柔道連盟副会長のアナトリー・ラフリン(ロシア語版)。
2000年、日本を訪問した際に講道館で柔道の技の型を演武するプーチン
2000年7月の九州・沖縄サミットでは沖縄県具志川市(現:うるま市)を訪問し、柔道の練習にスーツの上着を脱いだYシャツ姿で飛び入り参加。掛かり稽古(お互いが交互に投げる練習形式)を行い、相手の中学生を投げたあとに、今度は同じ相手に投げられるというパフォーマンスを披露した。中学生は大統領相手にためらったが、プーチンに促されて投げたという。投げられるプーチンの姿は印象的で、その写真や映像は世界中に報道された。警備員やSPは稽古とはいえ大統領が投げさせるとは考えられなかったようで、非常に驚いたという。
2000年9月の来日時には、講道館で技の型を首相の森喜朗(当時)に演武した。またこの際に講道館より柔道六段の名誉段位贈呈を提示されたが「私は柔道家ですから、六段の帯がもつ重みをよく知っています。ロシアに帰って研鑽を積み、1日も早くこの帯が締められるよう励みたいと思います」と述べて丁重に辞退した。
2012年8月2日、ロンドン五輪男子柔道をキャメロン英国首相と共にサプライズ観戦。自国のタギル・ハイブラエフが決勝戦を一本勝ちで金メダルを確定させた瞬間には飛び上がって大歓喜。ハイブラエフ退場時に駆け寄り祝福した。
(Wikipediaより)
プーチンの柔道着姿はかっこいいですね。今は一時的に支持率が急落しているものの、ロシア国民にとって、偉大なる指導者であることには変わりありません。プーチンのこれからの活躍に期待しましょう。