東野圭吾作家デビュー30周年記念作品 『人魚の眠る家』

人魚の眠る家 東野圭吾 / 著 

 

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答えてください。

娘を殺したのは私でしょうか。

東野圭吾作家デビュー30周年記念作品

人魚の眠る家

娘の小学校受験が終わったら離婚する。

そう約束した仮面夫婦の二人。

彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前。

娘がプールで溺れたー。

病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。

そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。

過酷な運命に苦悩する母親。その愛と狂気は成就するのか。

愛する人を持つすべての人へ。感涙の東野ミステリ。

(幻冬舎HPより)

 

映画(2018年11月16日全国公開)

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播磨薫子は夫の和昌の浮気が原因で別々に暮らしている。

二人は娘・瑞穂の小学校受験が終わったら離婚をすると決めていたが、受験を迎える前に悲劇が訪れてしまう。

瑞穂が遊びに行っていたプールで溺れてしまったのだ。

病院に運ばれ懸命な治療が続けられていたが...医師からは、瑞穂の意識は戻らないだろうと告げられる。

そしてもう一言...医師は言葉を続ける。

「お嬢さんの脳死が確定された場合、臓器を提供する御意志はありますか?」

日本の法律は臓器提供の意志がなければ脳死判定は行われない。この″脳死について″が物語の核となってくる。

脳はすでに機能を失っているとはいえ、眠っているだけのように見える娘。その姿に″死んでいる″とは、とても考えられない。

死を受け入れるべきか、諦めないべきか...苦難の末に薫子が選んだ決断は──。

メガホンを取るのは『トリック』シリーズなどの堤幸彦。『アンフェア』シリーズなどの篠原涼子が主演を務め、『MOZU』シリーズなどの西島秀俊らが共演する。脚本を、NHK連続テレビ小説「まれ」やドラマシリーズ「犯罪症候群」などの篠崎絵里子が担当する。

 

「臓器移植」と2種類の「死」

人が臓器(ぞうき)を提供(ていきょう)する場合の「死」には、2種類ある。

1つは、心臓(しんぞう)や呼吸が止まる「心停止(しんていし)」。心停止(しんていし)すると、血液が流れなくなるので、死んだ人のからだは、だんだん冷たくなっていく。

もう1つは、頭の中にある「脳」がまったく働かなくなった「脳死(のうし)」。

「脳」が心臓(しんぞう)を動かしているので、病気や事故などで脳のすべてが傷ついたり、脳がまったく働かなくなってしまうと、心臓(しんぞう)も動かなくなってしまう。人工呼吸器(じんこうこきゅうき)をつけることで血液をからだじゅうに送ることができるので、しばらく心臓(しんぞう)を動かすことができ、「からだはあたたかい」、という状態。しかし、一度「脳死(のうし)」の状態になってしまうと、もとの元気な姿にもどることなく、やがて心臓(しんぞう)も停止してしまう。(心停止(しんていし)までに長期間を要する例も報告されている)

臓器移植(ぞうきいしょく)の時には、「脳死(のうし)」か「心停止(しんていし)」した人の臓器(ぞうき)が使われる。

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日本における脳死ドナー、心停止ドナー 合計数の推移

 

脳死ドナー、心停止ドナーの合計数の推移をみると、改正臓器移植法施行後の2010年では113例、2011年では112例でしたが、その後は漸減し2014年では脳死ドナー、心停止ドナーの合計数は77例まで減少しました。2016年には96例、2017年には112例と増加している。

 

人魚の眠る家”が掲げる脳死や臓器提供を巡るテーマが、「何をもって"死"とする?」という切実すぎる問いを投げかけている。

脳死を死と認める国が多い中、日本では、臓器提供をしない場合は脳死状態にあっても心臓死を死とする現行のルールをどう解釈するか考えさせられる作品です。