映画「終わった人」と原作「終わった人」について

映画「終わった人

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仕事一筋だった壮介は、翌日から時間を持て余してしまう。公園、図書館、スポーツジムなど時間を潰すために立ち寄った先は、至る所に老人ばかり・・・。美容師として忙しく働く妻・千草(黒木瞳)につい愚痴をこぼし、次第に距離を置かれてしまう。

このままではマズイと職探しを始めるも、高学歴・高職歴が邪魔をして思うように仕事が見つからない。しまいには、千草や娘・道子(臼田あさ美)から「恋でもしたら?」とからかわれる始末。

ある日、大学院で文学を学ぼうと思い立った壮介は、勉強の為に訪れたカルチャースクールの受付嬢・浜田久里(広末涼子)に想いを寄せるようになる。さらに、通い始めたスポーツジムで知り合った新興IT会社ゴールドツリー社長・鈴木直人今井翼)から会社の顧問になって欲しいと頼まれ、壮介の人生が大きく変わろうとしていた。定年を過ぎて仕事に恋に、第二の人生を歩み出した壮介。

順風満帆に思えたのも束の間、次々と壮介の身に災難が降りかかってしまう。そして、ずっと支えてくれていた千草からも愛想を尽かされ、「卒婚」を提案されるのだった。

(公式サイトより)

映画『終わった人』公式サイト

 

コメディーとしておもしろいタッチで描かれており、舘ひろしを中心とした俳優・女優の演技は安定している。主人公の挫折感がせつなく、同じような境遇・世代の人が観たら、もっと共感できるのかもしれない。昔に夢見ていた理想の人生と現実がいつのまにかずれてしまっているということは、年齢や性別問わず誰にでもあるのではないだろうか

 

原作「終わった人」のあらすじ

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主人公の田代壮介は、東大を卒業し、国内トップのメガバンクに就職し、支店長、部長も経験しますが、派閥の関係もあり49歳で出世コースから外れ、子会社に出向し、そのまま定年を迎えます。

仕事一筋で特に趣味もなかったため、妻の千草と映画や食事などで楽しむことも考えますが、妻には相手にされせん。

妻に「友達と行けば」と冷たくあしらわれ、壮介は、自分に友達が居ないことに愕然とします。

壮介は、時間が有り余る為、スポーツジムに見学に行き、スポーツジムで、その後の壮介の人生を変える鈴木直人と知り合います。

壮介は、定年後の有り余る時間を持て余し仕事をしたいと、社員数70名程度の中小企業である「山下メディカル」に面接に行きますが、東大卒の学歴が邪魔して面接は落ちてしまいます。

その後も、カルチャースクールや大学院など自分探しは続き、石川啄木が縁で壮介の恋の相手(片思い)となるカルチャースクールの受付嬢である浜田久里と知り合います。

壮介は、久里を恋の相手とみていましたが、久里はのらりくらりとかわしています。

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原作では、壮介の恋の相手の久里は、壮介の家に頻繁に出入りしていた千草のいとこ(イラストレーター)の青山俊彦と恋愛関係になっています。

家族にばれないようと思っている、壮介と久里のやりとりはユーモラスですが、娘の道子は「お父さんの恋の相手でしょ!」の鋭い指摘をします。

スポーツジムで知り合った鈴木直人(IT会社社長)の会社の顧問の仕事に就き、順風満帆に行くかと思った時に、鈴木直人が急死してしまいます。

同じ時期に妻は自宅近くに美容院を開業し、順調な滑り出しをスタートします。

鈴木直人の急死後、鈴木の会社を引き継ぎ、壮介が社長になりますが、海外事業で焦げ付きが発生し、倒産に追い込まれます。

壮介は私財を投げうち、約9,000万円(壮介の手元に約1,500万円に残りますが)を保証人として弁済しますが、妻である千草の怒りは収まりません。

ラストでは、親の介護と友人が行っているNPO法人を手伝うという理由で、壮介は田舎に帰りますが、千草は東京に残ります。『離婚』ではなく、『卒婚』という形で、話は終わります。

 

感想

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妻の千草は、計画的に手に職をつけて、美容院を開業し自立していきます。一方の壮介は会社を引き継いだまでは一時的に順調であったものの、海外事業の失敗に伴い会社は倒産。その損失9,000万円の穴埋めを自己資金(銀行の退職金など)で行うなどすべてを清算して、田舎に帰るという決断をします。

終わった人」というタイトル自体が物悲しいですが、晩年の女性は元気で、男性はややそうでないという、今の日本の社会の一面を表している作品ではありますがが、田舎に帰ったあとの壮介が生き生きとしていることを期待したいですね。