人生100年時代 「無形資産」と「有形資産」の重要性

人生100年時代

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人生が100歳まで続くことが当たり前となる時代を想定した考え。2016年に刊行された『LIFE SHIFT ――100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、東洋経済新報社)は、長すぎる老後に備え、これまでの80歳程度のライフコースを見直す必要性を説き、話題となった。政府は「人づくり革命」の一環として、17年9月に「人生100年時代構想会議」を設置し、同書の著者のひとりであるグラットンを有識者議員として起用した。

 

 

100歳まで生きる確率

  • 先進国にいるいまの20歳は100歳以上
  • 40歳は95歳以上
  • 60歳は90歳以上

まで生きる確率が、5割以上あるというもの。

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人生100年時代は、お金等の有形資産だけでなく、無形資産も増やすことがとても重要になります。

 

無形資産について

生まれつきの要素を省くと、人生100年時代に必要な無形資産は、次の3つ。

  • スキルや知識等の、生産性を高めるための「生産性資産
  • 健康や、パートナーや友人等との良好な関係等の、活力を高めるための「活力資産」。
  • 自分を理解し、多様性に富んだ人的ネットワークがあり、未知の世界での経験にオープンである等の、変化をもたらすための「変身資産

 

80年代生まれの半数が95歳~100歳まで生き、“3ステージの人生”が破綻?

長く生きることは、人間の根源的欲求でもあるのだから、長寿化は「喜ばしいこと」のようにも思える。だが、日本ではこの変化を“厄災”とする論調が目立つと本書は説く。

その一方で、長寿化という変化がもたらす“恩恵”に目を向け、恩恵を最も大きくするための鍵である、生き方、働き方をシフトすること、すなわち「ライフ・シフト」について考える必要がある。

例えば、働き方。20世紀に培われ、現在の常識となっているのは、「教育→仕事→引退」という3つのステージを順々に歩んでいく“3ステージの人生”だ。しかし、100歳まで生きることを前提とした場合、この働き方モデルは現実的な選択肢ではなくなる。仮に100歳まで生きるとして、“現在”の働き方モデルに従って「65歳での引退」を希望した場合、「勤労期間中に毎年収入の25%を貯蓄し続ける必要がある」と言われている(もし、公的年金がまったく受け取れなくなれば、その数値は31%に跳ね上がる)。

 

人生100年時代」の老後は長く、その分生活費も多くかかる。一方で公的年金はあてにできず、医療費の自己負担は増え、転職・離職をした場合退職金も少なくなるなど、さまざまな要因で資産が減ってしまう。豊かなセカンドライフを過ごすには、現役時代、特に若いうちからの確実な資産形成が必要だ。

 

有形資産について

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野尻哲史『定年後のお金 寿命までに資産切れにならない方法』(講談社+α 新書)

50~60代は、バブル時代は若くて収入が低く、昨今は長期投資の社会インフラが整ったものの今からで遅すぎて積み立てが足りない「間に合わない世代」で、十分な老後資産形成ができていません。いうなれば「エアポケット世代」。そして、そのまま資産の取り崩し期間に入ると、寿命を迎える前に資産が尽きる可能性がきわめて高い。

これから待ち受ける未来を、10年以上にわたって進めてきた各種調査から解き明かし、世界の退職者のマネー動向も踏まえつつ、「逆算の資産運用」「定率引き出し」「3%運用4%引き出し」という独自の方法論を提唱しています。

収入や資産、老後の生活は人それぞれ。しかし、自身の「資産寿命」を最大化し、自分と家族の生活を守るための「基本」は同じ。この本は、人生100年時代になり、誰もが公的年金だけでは生活できない時代になって、生活資金の不足を補うために、現役時代に蓄えてきた資産を取り崩すにあたり、いかに資産寿命を延ばす取り崩し方を実行するか、について書いたものです。

この本の定義によれば、60歳までの資産を積み上げる「上り坂」の時代を Accumulation(アキュミュレーション)の時代、略して「A世代」と呼び、一方、資産を引き出す「下り坂」の時代を Decumulation (デキュムレーション)の時代、略して「D世代」と命名しています。

具体的には、お金は次の3つのステージで考えるべきだ、としています。

◆ 積み立てながら運用する時代(60歳まで)

◆ 使いながら運用する時代(60歳~75歳)

◆ 使う時代(75歳以降)

 

人生100年時代を暮らしていくには、「無形資産」と「有形資産」の両方を、計画的に積み上げていくことが重要となります。それらによって、長寿がもたらす「時間」という贈り物を柔軟かつ有効的に使うことにより、充実した人生をおくることができるようになります。