喫煙とがんの因果関係について
また10月からたばこが値上がりした。たばこの銘柄にもよるが1箱あたり10円~50円の値上がり。加えて、4 月から改正健康増進法と東京都の受動喫煙防止条例が全面施行されたこと、新型コロナウイルスのが感染拡大したことにより、喫煙所の閉鎖が相次いだ。喫煙者は日増しに追い込まれている。
成人の喫煙率

男性29.0%、女性8.1%、男女計17.8%(2018年)。
男性では、1995年以降いずれの年齢階級でも減少傾向。
女性では、2004年以降ゆるやかな減少傾向。30歳代から40歳代では近年減少傾向だが、50歳代では増加傾向。
ここで改めて喫煙とがんの関係について、見てみたい。
がんを予防するためには、たばこを吸わないことが最も効果的である。日本の研究では、がんになった人のうち、男性で30%、女性で5%はたばこが原因だと考えられている。また、がんによる死亡のうち、男性で34%、女性で6%はたばこが原因だと考えられている。
たばこを吸わなければ、日本人全体では約20万人はがんにかからなくて済む
日本人全体の2020年のがん罹患数予測は、毎年約101万人(男性58万人、女性43万人)、がん死亡数予測は38万人(男性22万人、女性16万人)。これらに上記比率を掛け合わせてみると、男性のがん全体の30%にあたる約17.4万人、女性のがん全体の4%にあたる約2.2万人、合計約19.6万人はたばこが原因でがんが発生する見込みとなる。(がん死亡数は、男性7.5万人、女性1万人、合計8.5万人となる見込み)
喫煙とがんの因果関係
肺、口腔・咽頭、喉頭、鼻腔・副鼻腔、食道、胃、肝臓、膵臓、膀胱および子宮頸部のがんについて、喫煙とがんの因果関係が明らかになっている。
また、たばこはがんだけでなく、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)や脳卒中などの循環器の病気や、慢性閉塞へいそく性肺疾患(COPD)などの呼吸器の病気の原因でもある。
1日15本喫煙する人と非喫煙者を比べた場合のがんになる確率

喫煙歴があった著名人(故人)とその死因
いかりや長介(67歳)頚部リンパがん
志村けん(70歳)新型コロナウィルスによる肺炎
石原裕次郎(52歳)解離性大動脈がん
松田優作(40歳)膀胱がん
今いくよ(67歳)胃がん
緒形拳(71歳)肝硬変
田中角栄(58歳)肺がん
ジャイアント馬場(62歳)肝臓がん
鶴田浩二(62歳)肺がん
美空ひばり(52歳)肺炎
ちなみに、2020年7月31日に厚生労働省が発表した2019年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳である。
がんにならないためには、まず禁煙
現在吸っている人も、禁煙することによってがんのリスク(がんになる、またはがんで死亡する危険性)を下げることができる。禁煙してから10年後には、肺がんのリスクが喫煙者に比べて約半分に低下し、口腔がん、食道がん(扁平へんぺい上皮がん)、胃がん、喉頭がん、膀胱がん、子宮頸がん(扁平上皮がん)のリスクも低下する。

喫煙者は、生涯たばこを吸わない人より10年程度余命が短くなるという報告もあります。また、喫煙によって日常生活動作の低下や認知症の発症リスクが上昇することも示唆されています。禁煙することによって、健康に長生きできる可能性が高まる。
足許のコロナ対応は喫緊の課題であるものの、一方で個々人が”がんの予防”に取り組むことも同様に重要である。